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ダイバーと事故 「今日の出来事(965963)」

17日朝、鹿児島沖の宇治群島付近でダイビングしていた四人がボートとはぐれて漂流。13時間後の午後7時40分ごろ無事発見され、救助された。

幸運だったなと思う。漂流でダイバーが死亡するケースは多いからだ。

思い出すのは1994年2月5日。パラオ諸島でダイビングをしていた日本人ダイバー6人が同じようにボートとはぐれ漂流。今回の鹿児島沖のケースと異なり、彼らは4日後から相次いで遺体となって発見された。原因はボートのモータが故障してダイバーとはぐれたということらしいが、詳細はよくわかっていない。わかっているのは、ダイバーたちは少なくとも漂流してから48時間以上生存していたということだ。死亡した女性の一人が水中ボード(水の中でも文字が書けるボード)に、漂流中五回も捜索している飛行機や船を目撃、カメラのストロボを光らせたりして合図したが気付いてもらえなかったことを書き記していた。全員、疲労と脱水から死亡したとみられている。

パラオでは、ドリフトダイビング中にボートで留守番している現地スタッフがダイバーの気泡を追わずに魚釣りに興じていることもあるという。その場合、ボートとダイバーがはぐれてしまう可能性が高くなる。ダイビングショップを選び間違えると、大変なことになるわけだ。

1997年12月には、インドネシアのスラウェシ島で、日本人ダイバー5人が同様に漂流死しているという。

かく言う私も漂流したことがある。場所はタヒチのランギロア。ポイントは、流れの速いパス付近だ。そのときはパスの中をドリフトせずに、パスのそばの棚の上で45分ほどダイビングをして浮上した。ところが、そこにあるはずのボートがいつまで経ってもやって来ない。見ると遠くでこちらに向かって何かジェスチャーをしている。何とエンジントラブルでボートが動かなくなったのだ!

つまりボートも遭難、私たちも遭難したことになる。ボートと私たちの距離はドンドン離れていく。幸いだったのは、潮の流れがそれほど強くなかったことだ。陸地も見える。フランス人インストラクターと話し合い、ボートまで行くのは諦めて岸に向かって泳ぐことにした。

潮は陸地から離れる方向に流れていたが、潮の流れには反流もある。インストラクターはなるべくパスに近づかないように回り込みながらパスの岸を目指した。

ただやはり流れがあるため、通常のバタ足ではその場にとどまっているのがやっとの状態。かなり強くフィンを蹴らないと前に進まない。いくらBCD(浮力調整装置)で浮力を確保しているとはいえ、これはかなり体力を消耗する。そのポイントは、人食いザメのタイガーシャークも頻繁に目撃されるサメの海でもある。ときどき海中を覗きながら、一向に近づかない陸地に向かって懸命にキックを続けた。

必死だったので、いったいどのぐらいの時間が経過したかもわからないが、私たちは沖に流されることもなく、岸のそばまで泳ぎ着いた。しかし、これで危険が全部去ったわけではなかった。この辺りは岩場でゴツゴツしており、波で岩に打ち付けられないよう注意しなければならない。引き潮との間合いを取りながら、岩を避けてやっとの思いで、足が立つ場所にたどり着いた。確かに疲労で死ぬケースもあるわけだ。そのときまでには、私たちもかなり疲れていた。

機材を脱ぎ捨て、後は救助を待つだけである。結局、私たちのボートは近くのボートに救助され、岸に泳ぎ着いた私たちには水上タクシーが差し向けられた。

使ったショップはトップダイブ。同じタヒチのボラボラ島ではピカイチのショップだが、後発となったランギロアでは一流とはお世辞にもいえなかった。インストラクターも実質一人だけ。かといって、日本人インストラクターのいるブルードルフィンは営利第一主義のようで好きではない。この後、レマンタクラブを試してみたが、非常にしっかりしたショップであった。

先日石垣島のマンタポイントを案内してくれた小浜島の伊藤さんとランギロアの話をしたところ、伊藤さんもブルードルフィンは使わず、いろいろと他のショップを試してみたのだという。伊藤さんの意見では、ランギロアではシックス・パッセンジャーズが一番ではないかと言う。今度ランギロアに行くときは、試してみようと思う。
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怖いですね~

ダイビングをしていて、ボートとはぐれたら…。
本当にどうするんでしょう。
海に漂いながら、溺れるのではなく、脱水と疲労で…。
想像がつきません。
そういう意味では、本当にショップ選び=命がけですね。

Re:怖いですね~(07/18)

AKIKO☆彡さん
おはようございます。

>ダイビングをしていて、ボートとはぐれたら…。
>本当にどうするんでしょう。
>そういう意味では、本当にショップ選び=命がけですね。

流れのきついところで潜るドリフトダイブのときは、いつもそうした不安が頭の片隅をよぎります。ダイブショップを選ぶときは、慎重にしなければなりませんね。

>海に漂いながら、溺れるのではなく、脱水と疲労で…。
>想像がつきません。

心細いでしょうね。夜間、真っ暗な海の上を漂流するのは不気味でもあるでしょう。海水を飲んだりしたら、のどが焼けたようになるだろうし、脱水症状から気力も萎えるでしょう。大海に浮かぶダイバーを見つけることは、ほとんど奇跡に近いかもしれません。今回の鹿児島沖のケースは、夜間も捜索を続けたことが発見につながったのだと思います。
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