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ハーバード経済日誌(その43) 「留学準備中♪(1588)」

願書提出と授業料

さて、推薦文、エッセイ、TOEFL、GMATのスコアがそろったら、いよいよ願書提出だ。私は冬になっても、依然としてビジネススクール(GMATとTOEFLが必要)に行こうか、政治・経済系の大学院(TOEFLのほかにGREという試験を受けなければならない場合もある)に行こうか迷っていたので、両方に出願した。

今、手元にハーバードの願書(注:願書は早めに取り寄せる。電子願書を受け付ける大学も多いので、ホームページでチェックを)がないので、政治・経済系の大学院であるSAIS(ジョンズホプキンズ大学)の願書を参考にして話す。

SAISの秋学期入学の願書締め切りは1月15日(年によって違うかもしれないのでご注意を)。願書審査代(当時は50ドル)、願書フォーム(いくつかの質問がある)と500語以内のエッセイ、学部時代の成績表(大学から直接送らせる)、推薦状3通(うち一人は必ず大学関係者、つまり教授や講師でなければならない)、英語の実力を評価できる人による評価書面などが求められた。SAISの場合はGREを受ける必要はなく、TOEFLだけでいい。ハーバード・ケネディスクールもGREは特に必要なかったと記憶している。

とにかく3つもの推薦状を手に入れるのは、本当に大変だった。会社を辞めるので、上司は最後の最後にして、大学時代の教師や取材先の人に頭を下げて、推薦状のサインをもらった。「なかなかよく書けているよ」とほめてくれた推薦人もいたが、「ちょっと書きすぎじゃないの」と苦言を呈する推薦人もいた。

いずれにせよ、願書を提出してしまえば、後は「果報は寝て待て」。二月ごろから四月ごろにかけて、続々と「合格通知」や「不合格通知」が届く。

私の場合は幸運なことに、全部で五校(うち3校はビジネススクール)に願書を提出して五校とも「合格通知」が届いた。しかも、頼んでもいないのに、特待生として「2年間で1万2000ドルの奨学金を出す」と書いてあったビジネススクールもあった。

結局、ビジネススクールで「金儲け」を勉強するのは私のキャリアに合わないと判断、ハーバードとSAISを選んだ(そのせいで今でも「金儲け」とは縁の遠いことをしている)。SAISには一年間の遅延入学手続きをして、2年の修士号コースではなく一年の修士号コースに変更してもらった。

以上、入学までの道筋を簡単に説明したが、本当に大変なのは、年間2万ドルという授業料をどのように工面するか、かもしれない。私の場合は14年間も働いていたので蓄えが十分にあった。93年の円高局面(一時1ドル=79円までなった)では、せっせとドル預金して800万円で9万ドルを買った。1ドルを89円で買った計算だ。その後96年の1ドル=130円のレートで9万ドルを手に入れるためには1200万円近くかかっただろうから、400万円近く余計な出費をしなくてすんだわけだ。

二年目の授業料2万ドルを払う当てがないまま留学した人もいた。しかし、その学生も無事、二年間で卒業できた。「アメリカにはいくつもの奨学金制度があるので、なんとかなるものだ」と、その人は話していた(熱意と交渉能力があれば、意外とうまくいくときもあるらしい)。奨学金制度ではなく、学生のための低利ローン(基本的に、将来働くようになったときに返済する)もあり、多くのアメリカ人学生が利用していた。
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