ケルト民族の前にブリテン諸島にいた謎の民族(その5)

ブレス王とフォモールの軍に対して、ダヌ神族も銀の義手を付けたヌアダが王として復活、反撃を開始しようとしたときに、一人の若者がダーナ神族の王都タラにやって来ます。その若者こそ、後に太陽の神と称されるルー(ルーグ)でした。

ルーもまた、神魔混血です。祖父は何とフォモール族の王で「魔眼」で知られるあのバロルです。バロルは、自分の孫に殺されるという予言を聞き、娘エスリンに子供を産ませまいとして娘を塔に幽閉したんですね。ところが、ダーナ神族のキアンが塔に忍び込み、娘とできてしまいます。それを知ったバロルは娘の子を殺そうとして海に投げ捨てますが、海の神マナーン・マクリルがその子を助け、ひそかに育てます。やがて大きくなったルーは、あらゆる芸術や技術の熟練者となり、自ら王都タラへやってきたというわけです。

王に返り咲いたヌアダは、目の前に現れたルーの類稀な才能に気付きます。そしてなんとあっさりと、王位をルーに譲るんですね。
ルーはフォモール族との対戦を決断、ダーナ神族も総力を挙げてルー王に従います。

激しい戦闘が各地で繰り広げられましたが、決戦の地は再び、モイトゥラとなりました。しかし、バロルの魔眼の威力はすさまじく、その眼力によりヌアダは命を落とします。次にバロルはルーを睨み殺そうとしますが、それよりも先にルーは、バロルの目をめがけて石を放ちます。石はバロルの魔眼とともに頭をつきぬけ、宙に浮きます。宙に浮いたバロルの目は、味方のフォモール族の兵士をつぎつぎと倒しながら、やがて天高くのぼり、太陽に吸い込まれていったのだそうです。バロルは予言通り、孫に殺されたということになりますね。

こうしてダーナ神族はアイルランドを統治することになったのですが、その統治がいつまでも続くことはありませんでした。
モイトゥラの最後の戦いからかなりの年月が過ぎたころ、スペインからアイルランドに来た「ミレシウス(ミル)の息子たち」が侵略してきました。ダーナ神族の女神たちが何とか侵略を阻止しようとしましたが、事実上失敗します。戦いでも負けて、ミルの息子エリモンはアイルランドで最初の人間の王となリました。これがゲール人、すなわちケルト人の祖先であるというわけです。

破れたダーナ神族は、地下の世界に国を造り、あるいは遠い海の彼方「常若の国」(ティル・ナ・ノーグ)に逃れ、妖精となって目に見えない世界をおそらく今でも支配しているのだそうです。また、アイルランドの名は、最後まで侵略を阻止しようとしたダーナ神族の女神エリウにちなんで、エールEireと名付けられ、それがIrelandとなったのだと言われています。

ダーナ神族の王都タラの丘。

Ireland 805-1

丘の上には立石やマウンドが構築されています。
丘はアイルランド東部、ミース州の町 、ナバンの南郊にあります。
(続く)
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