ケルト民族の前にブリテン諸島にいた謎の民族(その2)

残念ながら、現在伝えられているケルト神話は、中世初期以降に残された資料によるものがほとんどです。つまり編者によってキリスト教的な要素が多分に入り込んだ可能性があるんですね。ちょっとアレンジされている疑いが強いです。そのため、ブリテン諸島(アイルランド)に最初に渡って来たヴァン族のシーザーは、大洪水を逃れたノアの孫(ノアの息子の娘)であるとされているんですね。それでも神話の中で展開される歴史物語には、ケルト人以前にブリテン諸島にいたとみられる民族の謎を解くヒントはあります。

ノアの孫なのかどうかは別にして、ケルト神話では大洪水の前に魔術を持つ女王シーザーが一族を引き連れてアイルランドにやって来たことになっています。しかし大洪水はシーザーらの命を奪います。ただ一人、シーザーの夫フィンタンだけは、大洪水をサケやワシなどに変身して逃れたのだと言います。フィンタンが生き残ったことによって、最初の「移民」であったシーザーの物語が残ったわけですね。

で、フィンタンがその後どうなったかわからないのですが(一説には何度も転生して物語を伝えたのだとも言われています)、大洪水の前後、いつの間にかフォモール族がアイルランドに住むようになりました。魔力を持つ巨人族で洪水前からいたのか洪水後にやって来たのかもわからない、起源不詳の一族です。一応、ケルト神話の中では「魔族」扱いされています。

この魔族フォモールは非常に強かったようです。
なにしろフォモール族の王バロルは一つ目(もしくは三つ目)の巨人で、その目で睨むと、すべてを破壊することができるのだといいます。ギリシャ神話に出てくる一つ目巨人サイクロプス(キュクロープス)と、その目で睨まれると石になってしまうメドゥーサを足したような強力なキャラクターですね。まあ、漫画「ゲゲゲの鬼太郎」の「妖怪大戦争」に出てくるバックベアードと言った方がわかりやすいかもしれませんが・・・。

フォモール族は洪水後、アイルランドに侵入しようとしたパーソラン族を、疫病を流行らせることにいより撃退。続く侵入者であるギリシャ系、あるいはスキタイ系のネミディア族を激しい戦いの末に打ち破ります。ネミディア族のうち生きのこった30人は、三方に分かれて復讐の機会をうかがいます。このうちの北に逃れた者たちの子孫がダナン神族、ギリシャに逃れた者たちの子孫がフィル・ボルグ族となって再びアイルランドに攻め上がります。
(続く)
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