シュメルー古代ギリシャー古代日本をつなぐアドニスの神話(その3)

以前、シュメル人たちが自分の国を呼んだ時の「キエンギ」を日本語に訳すと「葦原中国」になると指摘しましたが、アドニスの名前も限りなく「大国主」に近くなります。既に説明したように、アドニスは「主」という意味です。アドニスは穀物神でもありますから、「穀物を育てる偉大なる主」であると読めば、国を豊かにする大国主であると解釈することもできそうです。

でも、これはただの表面上の話です。アドニスと大国主の類似点は、かなり深く細部にわたっています。

まず、どちらも、木の中から生まれていることです。「えっ、アドニスは母親の木が裂けて、そこから出てきたけど、大国主は木から生まれたっけ?」と思われる方もいるかもしれませんね。忘れてしまった方のために少し『古事記』の「出雲神話」をおさらいしておきましょう。

ヤガミヒメを大国主に取られた八十神たちは、大国主を亡き者にしようと山に連れ込み、大木を倒して打ち殺し、その大木の中に閉じ込めてしまいます。これを知った母神が、その大木を裂いて大国主を取り出し復活させます。つまり一度死んだ後に木から生まれたことになりますね。

次にどちらも、「猪」に殺されています。「えっ、アドニスは猪の牙で突かれて死んだけど、大国主って猪で死んだっけ?」と思っている方のために、おさらいをします。

同じく大国主を殺そうと企んだ八十神たちは、山のふもとに大国主を立たせたうえで、「山から猪を追い下ろすから、お前はそれを待ち受けて捕えろ」と命令します。命じられるままに猪を捉えようと待ち構えていた大国主に対して、八十神たちは猪に似た大石を火で焼いて転がします。それを猪だと思った大国主は、焼けた大石を体で受けて死んでしまいます。つまりアドニスが猪に化けたアレスに殺されたように、大国主は猪に似せた大石に殺されたことになりますね。

思い出していただけたでしょうか。ご覧のように、大国主の「八十神の迫害」の話は、大国主が死んで復活する、死と再生の物語でもあるんですね。「死と再生」こそ、既に説明したように植物の神としてのアドニスの特性でもあります。春に生まれ、夏に繁茂、秋に果実が熟し、冬に枯れ死ぬ植物のサイクルでもあります。まさに大国主はアドニスです。

この大国主の物語でお面白いのは、息子の命を救う「母神」が出てきますが、名前が隠されていることです。確かに『古事記』ではサシクニワカヒメが大国主の母親だとしています。だけど、大国主はスサノオの娘であるスセリビメの婿養子ですから、スサノオから数えて五代後の天之冬衣とサシクニワカヒメの子であるはずがありません。これって、かなり怪しいです。普通母親を登場させたなら名前を書くでしょ。本当にサシクニワカヒメであると思っているなら、そう書けばいいんです。それを書かないんですから、相当な理由がないといけませんね。少なくとも『古事記』編纂者は、オオナムヂこと大国主はサシクニワカヒメの子ではないことを知っていたことは間違いありません。

さて、母親の名前を伏したことについて、考えられる理由はいくつかあります。一つは「八十神の迫害」はまったくの作り話のエピソードで、すべてギリシャ神話のアドニスの物語から拝借したというケースです。この場合は、具体的に母親の名前を出してしまうと物語の整合性がつかなくなるので、わざと名前を伏して抽象的にしたことになります。

もう一つの可能性としては、物語自身が作り話であったかどうかは別にして、記紀編纂者が本当に大国主の母親の名前を知らなかった、というものです。ではどうして知らなかったかというと、外国の人だったのかもしれないわけです。ミュラとかスミュルナとか外国の名前を言われても、面倒だったので(あるいは覚えきれなかったので)、「御母神」と記したという可能性があります。

さらにもう一つの可能性として、大国主の本当の出自を教えるとまずかったので、わざと秘したということも考えられます。おそらくその出自の秘密を解くカギは、既に指摘しましたが、スサノオが大国主を見るなり、「これは葦原色許男神だ」と発言したことにあるように思われます。シュメル人と関係がある一族の出身であったが、日向族でも出雲族でもなかったのではないでしょうか。たとえば古代ユダヤ人であったのではないかと私は見るわけです。でも、それならばなぜ、古代ユダヤ出身であることを隠す必要があったのかは定かではありません。

ちょっと脱線しましたが、アドニスと大国主の類似性についての話を続けましょう。
(続く)
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