神々の近親婚は政略結婚のことだった(その2)

では、なぜデメテルがスサノオと政略結婚したアマテラスになるのか説明しましょう。

出雲族に屈した日向族の女王アマテラスは、政略結婚することで和睦に持ち込んだわけです。つまり力に屈し、しぶしぶ結婚したことになりますね。そして、その政略結婚によって子供(宗像三女神)が生まれます。ところが、スサノオの乱暴狼藉に愛想を尽かしたアマテラスは岩戸隠れしてしまいました。

デメテルもまた、力ずくでポセイドンと「結婚」させられ、子供(神馬アレイオン)を生みます。
しかも、そのポセイドンの乱暴な振る舞いに腹を立てたデメテルが岩戸隠れしてしまうことは既に説明した通りです。

そしてどちらの神話でも、無理やり「結婚」して乱暴狼藉を働いたのは「弟」(ポセイドンはデメテルの「弟」、スサノオはアマテラスの「弟」)ということになっています。

一方、ヘラは貞淑なゼウスの正妻です。そしてゼウスとともに「天空」を支配する神であったと考えられています。天空とは「高天原」に違いありませんね。その高天原を夫の高木神(タカミムスビ)とともに統治していたのがアマテラスでした。

ヘラはゼウスとの間にアレスやヘーパイストスといった男神を生んでいますが、アマテラスも高木神との間に男神を儲けたことが示唆されています。またゼウスは他の女性とも子供を儲けていますが、高木神もまたアマテラス以外の女性との間にオモイカネという息子がいたことが記紀神話に記されていますね。

次にアマテラスの心情についても考察してみましょう。
仮にアマテラスが高木神の妻でありながらスサノオとの政略結婚に応じなければいけなかったとしたら、アマテラスの傷心の度合いはいかばかりだったでしょうか。その傷心ぶりが、娘をハーデスに誘拐されたデメテルの心情に重なります。岩戸から出てきた後は、アマテラスは高木神と仲睦まじく高天原を統治しますから、夫(ゼウス)を取り戻したヘラの心情と重なりますね。

このように高木神の正妻としてのアマテラスはヘラ、スサノオと政略結婚したアマテラスはデメテルと見事に一致します。つまり、神話の細部を見て行くと、キャラクターの設定だけでなく、その登場人物の心情そのものも、ダブるわけです。

これほど細部まで一致するのは、ただの偶然ではありえませんね。
『古事記』と『日本書紀』の編纂者はギリシャ神話のことを熟知していた人物であった、と考えるべきなんです。
彼らが、ギリシャ神話を意識しながら記紀神話を編纂していったのは間違いないでしょう。
そのことを次に説明しましょう。
(続く)
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