古代ユダヤの策略を熟知していた「ヨセフを知らない新しい王」

多神教から一神教へのアマルナ宗教改革が失敗した後、一神教支持派というか、一神教を信じる古代ユダヤ人もまた立場が苦しくなったのは当然ですね。『旧約聖書』の「出エジプト記」には、そのことが象徴的に描かれています。時は紀元前13世紀ごろ。アマルナ改革失敗から数十年が過ぎたころだとみられます。それは次のような記述です。

ヨセフのことを知らない新しい王が、エジプトに起こった。彼はその民に言った。「見よ、イスラエル人なるこの民は、我々にとって、あまりにも多く、また強すぎる。さあ、我々は、抜かりなく彼らを取り扱おう。彼らが多くなり、戦いの起こるとき、敵に味方して、我々と戦い、ついにこの国から逃げ去ることのないようにしよう」。そこでエジプト人は彼らの上に監督を置き、重い労役をもって彼らを苦しめた。(中略)エジプト人はイスラエルの人々を厳しく使い、つらい務めをもってその生活を苦しめた。すなわち、漆喰こね、煉瓦作り、および田畑のあらゆる務めに当たらせたが、そのすべての労役は厳しかった。

聖書ではヨセフのことを知らない王が誕生したので、古代ユダヤ人たちの迫害が始まったかのように描かれていますが、どうもそれだけではなかったことが上の記述からもわかります。彼らはエジプトで暮らしていても、エジプト文明やエジプト人とはなじまず、何をするかわからない不気味な巨大勢力になっていたことが読み取れます。言うなれば、いつでも敵に寝返るかもしれない国家内勢力が「イスラエル人」、すなわち古代ユダヤ人でした。

実は、この「ヨセフのことを知らない新しい王」こそ、アブラハムにはじまる古代ユダヤ人がこれまでにエジプトに対してやって来たことを良く知っていた王なのではないかと私には思えます。エジプトの立場から見てみましょう。最初アブラハムは、自分の妻を「妹」ということにして王宮に入り込ませ、エジプト王から莫大な富を得ました。まるで「美人局」のようなことをして、だまし取った、あるいは奪ったわけです。

その後、やってきた奴隷のヨセフは「夢解析」ができると称して言葉巧みに宮廷に入り込み、宰相にまで上り詰めました。これは並みの人間にはできません。で、宰相にまでしてもらったのに、ヨセフはカナンから多くの同族・親族を呼び寄せて移住させ、エジプトの領土内に古代ユダヤ人のための居留区まで作ってしまったわけです。いわば国家内国家を作ったことになります。ヨセフはエジプトの宰相というより、古代ユダヤ人が派遣した工作員のようです。

そして古代ユダヤ人の勢力拡大とともに起きたのが、一神教を目指すアマルナ宗教改革であった。どう考えても、古代ユダヤ人と無関係ではありえません。宗教を使った革命を起こそうとしたのかもしれません。少なくとも、エジプト王の政治さえも牛耳ってしまうような巨大勢力になっていたわけです。これに危機感を募らさないはずはないですね。

だからこそ、「ヨセフのことを知らない新しい王」は信じられないような迫害を始めるわけです。
(続く)
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