シュメル文明の宗教から派生したユダヤ教、キリスト教、イスラム教

エジプトに逃れてきたアブラハム一行ですが、すぐに問題が生じます。アブラハムの妻サライ(後にサラと改名)が美しかったために、妻であることがばれると自分は殺されてしまう恐れがあったというんですね。そこでアブラハムは、サライのことを自分の妹だということにしてエジプトの高官に取り入ります。でも、これは嘘ではなかったんですね。というのも、妻サライは異母妹だったからです。

この時代、近親婚が結構盛んに行われています。アブラハムの父テラには、ほかにハランとナホルという二人の息子もいたのですが、このうちナホルはおそらく兄と見られるハランの娘ミルカと結婚しています。つまり姪と結婚しています。母親さえ違えば、妹と結婚してもまったく問題ない時代だったんですね。

さて、エジプトの高官の間でサライの美貌の評判が広まると、その評判はほどなく「パロ(エジプト王のこと。エジプト中王国時代、第11王朝のファラオか)」の耳に入ります。そこでパロは早速、サライを宮廷に召し入れます。サライはアブラハムの妻でありながら、パロの側室となったわけです。パロはサライを大そう気に入って、アブラハムを厚遇、「妹」のサライを王宮に差し出した褒賞として羊、牛、ロバといった家畜やラクダ、男女の奴隷といった「財産」を与えます。人身売買の成立です。

ところが、パロがサライを娶ってからというもの、エジプトに激しい疫病が流行ります。そのときパロは疫病の原因がアブラハムの妹であると思ったサライが実はアブラハムの妻であったことによるものだということがわかったというんですね。それで、サライをアブラハムに返すとともに与えた財産と一緒にエジプトから出て行ってもらった、といいます・・・・。

アブラハムにとっては、まるで「わらしべ長者」の物語のように素晴らしい話ですが、かなり変ですよね。というか、無理のある物語に思えます。夫ある女が夫となれあいで他の男と姦通し、姦夫から金銭などをゆすり取る「美人局」と同じことを結果的にやったことになりますよね。それが見事な「美談」になったわけです。

まあ、この「美談」に目くじらを立てるのは止めにしましょう。なにしろアブラハムは、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教を信じるいわゆる啓典の民の始祖ですから。原始ユダヤ人、元祖古代ユダヤ人とも言える人です。それにそもそもこの話を持ち出した理由は、紀元前2000年ごろには、メソポタミアからエジプトへと移動する集団がいたことを聖書が記していることにありました。しかもシュメルから移動してきた集団は、ファラオに気に入られれば、エジプト王朝の懐深くに入り込むことができたことを聖書は示しています。

アブラハムが生きていた時代には、シュメル文明はほとんど衰退して滅亡の危機に瀕していました。それより500~1000年前、シュメル文明の繁栄に翳りが見えてきた時代に、シュメル人の建築家や土木技師らが集団でエジプトに移住していたとしても、まったく不思議ではないわけです。彼らはシュメル文明を継承する特殊技能集団であり、その中にイムホテプがいたのではないかと私は推測しています。

一方、大洪水の後、メソポタミアにたどり着き、シュメル文明の中に溶け込んだノアおよびその子孫は、シュメル人から技術や知識を学びながら独自の宗教観を形成していったことが、聖書を読むとわかってきます。というのも、シュメル人は多神教でしたが、アブラハムに至ると、自分たちの神だけを絶対神として信じる一神教が確立していくからです。

ということは、「信仰の父」とされるアブラハム以降に展開されるユダヤ教、イスラム教、キリスト教は、異論もあるでしょうが、シュメル文明の宗教(多神教)から派生した宗教であると考えることもできます。そう考えれば、古代ユダヤ人もシュメル文明から派生した、一宗教民族であると捉えることができるんですね。
(続く)
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