ニギハヤヒが夢見た亡き父スサノオの悲願

東征なのか、東遷なのか、を議論する前に、なぜ東の地である大和に新政権を樹立する必要があったかを見て行きましょう。

『古事記』では、「安らかに天下の政(まつりごと)を執り行う」ため、東の方に向かったと簡単に記されています。
一方『日本書紀』には、日本は村々ごとにお互い争っており収拾がつかない状態になっているとしたうえで、天下を治めるには「天の磐舟に乗って、飛び降った者」が降臨した「青い山が取り巻いている」「よい土地」が日本の中心であり、そこで都を作ろうということになったからだ、と明記されているんですね。「天の磐舟に乗って、飛び降った者」とはニギハヤヒのことで、「よい土地」が大和であることは明白です。

この二つの理由を重ねて考えると、王(族長)が乱立して内乱状態になっている日本をまとめるためには、ニギハヤヒが統治している大和に統一王朝を作るしか方法がない、というように読めるんですね。

実はこの考えは、日向族だけの考えでなく、大和国(近畿国)のニギハヤヒの考えであったのではないかと私は考えます。亡き父スサノオが日向族の女王アマテラスと政略結婚をすることによって果たそうとした統一王朝樹立の夢です。

私は当初、日向国が海人族の支援を受けて富国強兵し、実際に大和地方に武力で侵攻したのであると考えていました。ところが、ニニギの王位就任以来、王統断絶騒動、兄弟間の争い(日向国内戦)を経て、日向国はヘトヘトであったはずですよね。海人族の協力でようやく国を建て直したものの、日向国には遠方に東征するだけの力があったかと言われると、どうもそうではなかったように思えてならないんですね。九州地方の日向国という「おひざ元」だけで手いっぱいだったはずです。そのような日向国が単独で東の地に長期遠征するのは無謀です。

そうではなくて、実は近畿王のニギハヤヒが日向国の王子たちを大和に招聘したのではないでしょうか。
ニギハヤヒにとっては、亡き父の悲願である統一王朝を樹立するため、日向国の王子と近畿国の王女を結婚させる計画が最初からあったのではないか、と思えるんですね。

まさに日向族と出雲族の「誓約」の第二弾です。その政略結婚によって王子が生まれれば、アマテラスとスサノオが夢見た統一王朝がようやく誕生するわけです。

実はそうしなければならない事情がニギハヤヒにもあったんですね。それは次回お話ししましょう。
(続く)
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