記紀に隠されたスサノオの8王子(その10)

統一王朝の夢破れたところで、日向族、出雲族それぞれの言い分を整理しておきましょう。

アマテラスとスサノオの政略結婚が破たんしたのだから、日向国の王位継承者はオシホミミとなります。一方、出雲国にとってはタギツヒメでもよかったのですが、破たんした結婚で生まれた末子を王位継承者にするのはいかがなものか、という思いがあったのではないでしょうか。そのため、やはりスサノオの末子スセリビメが王位継承者になるべきだとする考えが大勢を占めたはずです。

となると、残された問題は、スセリビメのお婿さんをどうするか、ですね。
既にみなさんご存知のように、並み居る婿候補者から厳格な審査の上選ばれたのが、オオナムヂでした。
その審査の際、オオナムヂはお笑い芸人も真っ青な「無茶振り」をされます。
無茶振りによってヘビに食われそうになったり、ムカデや蜂に刺されそうになったり、焼き殺されそうになったり、もう大変でした。

そのときオオナムヂを救ったのは、まあ才能ももちろんあったのでしょうが、その中東系のエキゾチックな容貌であったと私は考えています。
なにしろオオナムヂは古代ユダヤ人であった可能性が強いですから、きっとスセリビメは一目見て心を奪われたのではないでしょうか。なにしろ最近の研究では、人間はなるべく自分の遺伝子とは異なる遺伝子をもつ異性を好きになることがわかってきましたから。

実際に『古事記』の記述を読むと、最初の出会いから結婚まではまさに電撃的です。スセリビメは御殿の前で「オオナムヂの姿を見て、互いに目を見かわして結婚された」と書かれているんです。

「えっ、目を見ただけですぐに結婚! ちょっと早すぎだろ、それは!!」と突っ込みたくなるような、速攻での結婚です。
しかも、スセリビメはそのことを父親に「事後報告」するわけです。これではスサノオが怒るのも無理はないですね。
だから審査も厳しくなった(婿いびりの嫌がらせが増えた)わけです。

こうして数々の厳しい審査があったのですが、スセリビメの機転もあり、オオナムヂは何とか試練を乗り越えます。
二人の愛がゆるぎないものだと察した(あるいはできちゃったものはしょうがないと諦めた)スサノオは、出雲国の王位継承者の三種の神器であるとみられる生大刀、生弓矢、天の詔琴を二人に与えます。二人は正式に出雲国の王位継承者とその夫になったわけです。ということは、スサノオの8王子とは義理の兄弟ということになりますね。

でも、ちょっと待ってください。オオナムヂが死ぬ思いをしてようやく手に入れたはずの因幡のヤガミヒメはどうしちゃったの、と思いませんか。

ご安心ください。『古事記』はちゃんと、オオナムヂとスセリビメが結婚した後、ヤガミヒメがどうなったか書いてくれています。それによると、ヤガミヒメは無事にオオナムヂと結婚して出雲に連れて来られます。ところが本妻のスセリビメを恐れるあまり、オオナムヂとの間に生まれた子を木の股に差し込んで、因幡に帰ってしまったそうです。で、その生まれた子供の名前はキマタとなりました。

美しい女性と見ればすぐに結婚し、子供を孕ませてしまうオオナムヂは、稀代の遊び人、プレーボーイというわけでしょうか。

しかしながら、オオナムヂにはそれだけの魅力があったのだと私には思われます。というのも、スサノオはもう一人の自分の娘で、王位継承者候補でもあったタギツヒメとの結婚も認めている節があるからです。記紀には書いてありませんが、『先代旧事本紀』では、オオナムヂと結婚してコトシロヌシとタカテルミツヒメを生んだことになっているんです。

もしこれが本当だとしたら、まさに出雲国の王位継承筆頭候補であった二人とオオナムヂは結婚したことになります。これは、スサノオからよほど信頼されていないとできないことです。あるいは王位継承争いが起きないように、二人の王位継承資格のある二人の娘とわざと結婚させたとも解釈することができますね。
(続く)
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